昨月、GoogleがAMP(Accelerated Mobile Pages)の優遇を終了すると発表しました。
経緯を簡単におさらいすると、Googleは昨年より、ページエクスペリエンスを導入することをアナウンスしてきました。
ページエクスペリエンスとは、Webページのユーザー体験を総合的に評価する概念で、特に重要な指標はCore Web Vitals(コアウェブバイタル)です。
参照:Core Web Vitals(コアウェブバイタル)とページエクスペリエンスは、SEOをどう変えるか?
昨月、改めてGoogleより正式なアナウンスがあり、ページエクスペリエンスの導入は2021年6月中旬から段階的にロールアウトされることが発表されました。
参照:ページ エクスペリエンスの更新に対応するための期間、ツール、詳細情報 | Google 検索セントラル ブログ
AMPの優遇終了はこの発表と同時に行われました。これが何を意味するのか?ウエブマスターは今後どうするべきかを解説します。
AMPとは?
AMP(Accelerated Mobile Pages)とは、Webページの表示速度を改善するためのオープンソースのHTML規格であり、以前からGoogleが推奨してきました。もともとはGoogle自身が開発したものであり、そのあと、AMP Open Source Projectという団体で開発が進められてきました。
現時点で、モバイルでのGoogle検索結果で上位に位置する「トップニュース」枠はAMP対応したWebページしか表示されません。また、AMP対応したWebページは雷のような特別なバッジが表示されます。次のスクリーンショットの通りです。
WebページをAMP対応するには、AMPの規格に合わせてページをコーディングし直す必要があります。WordPressの場合は、AMP対応のプラグインを導入して手軽に対応することもでき、当ブログでも利用しています。
ただし、AMPに対応しても表示速度がほとんど改善しなかったり、複雑な機能を実装しにくかったりするため、多くの開発者やウェブマスターが不満を持ってきました。
AMPの優遇が終了するとはどういうこと?
AMPに関するGoogleの発表は次の通りです。
- Google検索結果の「トップニュース」枠に表示されるために、AMP対応を行う必要がなくなる。Core Web Vitals(コアウェブバイタル)やページエクスペリエンスのステータスとも関係なく、すべてのWebページがフラットに評価されて表示される。
- AMP対応を示すバッジの表示が廃止される。代わって、Webページがページエクスペリエンスに優れていることを示す表示は今後テストを行っていく。
- (AMPとは直接関係ないものの)コンテンツを事前読み込みすることでWebページのパフォーマンスを向上させるSGX(Signed Exchange)という技術について、今まではAMP規格の範囲内で限定的に対応してきたが、今後は一般対応を開始する。ただし、SGX対応が上位表示の要件ではない。
AMP対応は今後どうするべき?
今まで、開発者は「トップニュース」枠への掲載やバッジの表示を行い、検索からのトラフィックを増やすために手間をかけてAMP対応を行ってきました。
この大きなメリットがなくなるのですから、基本的にAMP対応を行う必要はなくなります。AMP対応は必須の作業から、Webページのパフォーマンスを改善するための数多く選択肢の1つに格下げされるわけです。
とはいえ、逆にAMP対応していることが不利になるわけではありません。機能的・性能的な面で問題が生じていなければ、AMP対応を行った既存のページについて、急いで対応を終了する作業を行う必要はないと考えられます。
今後重要になるのは、前述したSigned Exchange(SXG)という技術です。SXG対応は上位表示するための要件ではないものの、Webページのパフォーマンスを改善することで、ページエクスペリエンスに寄与できる可能性があります。
SXGについては今後、当ブログでまとめていきてたいと思います。