最近はどの企業もオウンドメディアやWebメディアを展開しているため、ライティングの訓練を受けていない方でもブログ記事を書く機会が増えているのではないでしょうか。

良いブログ記事を書いて成果を上げるためには、ライティングのスキルをはじめ、ネタを決めるコツや、SEO(検索エンジン最適化)など、様々なノウハウが必要になります。とはいえ決して難しい専門知識が必要なわけではなく、基本をおさえれば誰でも習得可能です。

最近、エンジニアの方向けに、オウンドメディア向けのブログ記事で成果を出すライティングの鉄板ノウハウをまとめたので、参考に当サイトでもその要約を紹介します。

記事のテーマと構成を考える

まずはテーマとキーワードの選定から

テーマ(主題)

最初に行うことはブログのネタ、つまりテーマ(主題)の決定です。テーマは、以下のどちらかまたは両方を満たすことを意識しましょう。

  • 有用性がある(読者にとって役に立つ)
  • 感情(喜怒哀楽)を動かすことができる

この2点の重要性はブログ記事だけでなく、世の中のあらゆるコンテンツに共通することだと思います。

なお、テーマの決め方に関しては、決まったルールはないし、「このような方法を取れば必ず当たるネタを発想できる」という法則もありません。各自が自分の知識や経験、センスで考える必要があります。ただし、「発想法」に関する書籍は以下のようなものが知られているようです。

アイデアのつくり方

思考法図鑑 ひらめきを生む問題解決・アイデア発想のアプローチ60

キーワード

続いて、テーマを端的に表現するキーワードを決定します。これが検索エンジンで上位表示を狙うキーワードになります。

キーワードは以下のいずれでもよいです。

  • シングルキーワード(「パソコン」など単語1個か、「パソコン比較」などの連語)
  • 複合キーワード(「パソコン 法人」など2つ以上の単語)

一般的に、以下のようなものが狙うキーワードが代表例になると思います。

  • 商品名、サービス名などの固有名詞
  • 「費用」「比較」「クチコミ」「導入事例」など、よく使われる一般キーワード
  • 上記の関連キーワード(Google検索のキーワード入力補助機能や、関連キーワード枠で表示されるキーワードが参考になります)

逆に、読者が使いそうなキーワードを先に決定し、そのキーワードに沿った内容を検討するという考え方も有用です。

どちらかの方法で、記事のテーマとキーワードを決定します。

なお、一般的なSEOでは、顧客のニーズや課題の分析、キーワードとコンテンツの需給バランスの調査や、重要度別・フェーズ別・詳細度別の段階的な目標設定など、多角的な分析や決定を行いますが、ブログ記事単体のノウハウとしては省略しています。

タイトルが最重要

タイトルの文字数は「全角32文字程度以内」とするのが良いと言われています。

できるだけタイトルの最初の方に、狙うキーワードを入れます。後ろにいくほど読者の目に入りにくくなったり、省略されて表示されにくくなるためです。

「キーワードがタイトルに入っているかどうか」で、検索順位はまったく異なるため、忘れずに入れることが大事です。

逆に言うと、タイトル(とそこに入れたキーワード)から記事の内容を考えていく、という考え方も重要です。

hタグ(見出し)も次に重要

hタグ(見出し)はページの目次に該当します。hタグの一覧を見ただけで、ページの内容や流れをおおまかに把握できるのが理想的です。

また、Googleはhタグに入っているキーワードを、そのページの中で重要なキーワードだとみなすため、狙うキーワードをhタグに入れるのが有効です。

h1/h2/h3~の順番で重要度が高いため、重要度の高いキーワードからh1に入れていきます。

ただし、hタグに入れなければ絶対に上位表示しない、というわけではありません。

キーワード出現頻度も考慮したい

狙うキーワードを、ページの中で最も出現頻度の高いキーワードにすると、そのキーワードで上位表示しやすくなります。

ただし、過剰に詰め込みのは禁物で、一般的には多くとも5%くらいにとどめておくとよいと言われています。

効果されているキーワードの出現頻度は、以下のようなサイトで調べることができます。

キーワード出現率チェック

なお、Googleの自然言語処理や機械学習などの技術の発達により、昔よりもキーワード出現頻度の重要性は下がっていると言われることもありますが、その根拠がGoogleからアナウンスされているわけではないので、知っておいて損はないと思います。

アイキャッチが必要

記事のファーストビュー(ページを開いてすぐに視界に入る範囲)を見たときや、SNSなどでリンクが表示されたときに、テキストばかり表示されていると読者が興味を失います。

読者のアイキャッチ(視線を惹きつけること)のために、サムネイルやファーストビューに表示される画像を設定するのがおすすめです。

画像は、記事の内容に沿ったものや、雰囲気の合うイメージ写真などを入れます。後者の場合は以下サイトなどが無料かつ商用利用可能なので有用です。

写真AC

これはあくまで一例で同種のサイトは他にもたくさんありますが、著作権違反・ライセンス違反にならないように注意しましょう。

また、画像の容量が重いとページの表示速度が悪化して、Googleからの評価が下がります。できるだけ容量を小さくしましょう。

読みやすい文章を作る

論理構成(ロジカルシンキング)に気を付ける

他社のブログ記事を見ると、伝えようとしている内容の論理的構成がよくわからないため、理解しにくくなっていることがよくあります。

情報の構造や因果関係を明確にして、それが伝わるように文章を構成しましょう。論理構成が明確にできている文章は、読者にとって読みやすいです。

一般的には「ロジカルシンキング(≒クリティカルシンキング)」と呼ばれる分野が、このような課題を扱っています。

logicalthinking.png (131.0 kB)
ロジカルシンキングの全体像(出典:株式会社ハートクエイク)

私が昔読んだ限りでは、ロジカルシンキングの書籍は以下がよくまとまっていて参考になりました。類書もたくさんあります。

問題解決プロフェッショナル―思考と技術

グロービスMBAクリティカル・シンキング

目線を「下げる」

専門的な分野を扱う文章でありがちなのは、「専門家に向けた説明」「わかっている人同士の議論」をしてしまうことです。

技術文書や論文ならそれでもよいのですが、一般的なブログ記事はそうではありません。ほとんどの場合、今後顧客になってくれたり、会社のメンバーになってくれたりする可能性のある人に読んでもらうことが目的のはずです。

そのため、記事が目指すのは「今までわからなかった人が、記事を読むことによって、わかるようになる」ことです。「わからない」から「わかる」への「変化」をどのくらい生み出すことができるかが、記事の持つ最も本質的な価値です。

そのような記事を書くためのポイントとしては、以下があります。

  • 基本的な概念や用語をいきなり使わない
    • わからない概念や用語が一定以上あると、読者はそこで興味を失ったり、読むのを止めたりしてしまいます。読者がわからない可能性のある概念や用語を使う際は、必ず簡単な説明を入れてから使うようにします。
  • 専門用語の表記を整理する
    • 記事中に用語の混乱があると、既にわかっている人はなんとなく想像することで主旨を理解できても、そうでない人は全く意味が取れなくなることが多いです。

曖昧な表現を連続して使わない

曖昧な表現を連続して使うと、文章が読みにくくなったり、主旨を理解しにくくなりがちです。曖昧な表現をなるべく使わなくてもいいように、十分に物事の調査・検討を行った上で、正確な文章を書くようにしましょう。

曖昧な表現の例として次のようなものがあります。

ほとんど
~など
~くらい
まあまあ
だいぶ
ほぼ
だいたい(大体)
どちらかというと
おそらく
きっと

推敲・校正を繰り返す

文章は、自分ではどんなにちゃんと書けたと思っても、間違いが無限に潜んでいるものです。推敲と校正を重ねて、読みやすい文章にしましょう。以下のような工夫は役に立ちます。

  • 別の人に読んでレビューしてもらう
  • 翌日など、時間をあけて読み直す
  • 印刷して確認するなど、媒体を変えて読み直す

推敲・校正を行う際は、以下のような点に注意しましょう。

日本語の間違いやすい点

校正のポイント説明
一文一意つの文章はできるだけ短く、1つの意味だけを表現すると読みやすいです。
句読点の利用「、」「。」を適切に、リズム良く使うと読みやすいです。
助詞・助動詞の利用「てにをは」、「たり」を適切に利用しましょう。Word等の校正ツールも検出してくれることがあります。
受動態ではなく能動態例えば、受動態「データが送信される検証が行われた」より、能動態「データを送信する検証を行った」の方が意味をとりやすいです。
文体の統一ですます、だである、口語などを記事の中で統一させます
表記の統一固有名詞、専門用語、カタカナと英語、漢字とひらがななどを記事の中で統一させます
「の」を使い過ぎない例えば「健太の兄の大輝のお気に入りのレストラン」は「の」が4回も使われており読みにくいです。2回までに留めるのがよい言われています。
二重否定を使わない例えば、「買えないこともない」ではなく「買える」としましょう。

最後まで読まれる(直帰率が低い)ことが大切

前述の通り、記事のテーマが読者の興味を惹き、アイキャッチや論理構成などができ、読みやすくできた記事は、最後まできちんと読まれやすいです。

GoogleはWebページの滞在時間を間接的に取得していると考えられています。(検索エンジンの利用傾向からWebページの滞在時間を推測する特許を取得しています)

そのため、滞在時間が長い(直帰率が低い)ページほど上位表示しやすいと考えられます。

効果測定を行う

ブログ記事の効果測定について簡単に記しておきます。

いきなり具体論に入る前に、そもそもなぜ効果測定を行うのか?ブログ記事にとって効果とは何か?について認識を合わせる必要があります。

効果測定を行う理由は、ブログ記事を執筆し公開する目的をどの程度達成できているかを知るためです。

ほとんどのオウンドメディアの目的は、自社やブランドの認知・理解の拡大、さらにインバウンド獲得などです。それをふまえると、記事1つ1つの直接的な目的は記事のテーマについて興味関心を持っている人に「訪問(=記事ページへの露出と流入)」してもらい、「記事を読んで(=閲覧・消費)」もらうことです。

そのため、この目的に沿って各記事の「露出」、「流入」、「閲覧・消費」を定量的にチェックしていくことが効果測定において行うことになります。このそれぞれの観点については、「コンテンツの価値をどうやって測定するか?記事・動画の定量分析の考え方」で解説しています。

以上、ブログ記事のライティングにおいて知っておきたいことを簡単にまとめました。ご参考になれば幸いです。