このページでは、被リンク(バックリンク)を獲得する具体的な施策の一覧を紹介します。
SEO(検索エンジン最適化)の対策は、大きく内部要素と外部要素に分かれます。内部要素は、コンテンツのクオリティや、タグの記述の適切さ、表示速度など、Webページの内部的な要素を指し、外部要素は、品質の高い被リンク(バックリンク)の獲得や、検索エンジンからのトラフィック(検索結果でのCTR)、サイテーション(他社サイトでの言及)など、Webページの外部的な要素を指します。
【Google】検索アルゴリズムのアップデート(検索ランキングシステム)一覧を見ると通り、外部要素のなかで被リンクの重要性は非常に高いです。
内部要素の対策は、正しいSEOを学んでそれに沿って努力を続けるという、自社の努力で何とかなる面が大きいですが、外部要素は他者(他社)からいかに評価されるかで決まる部分が大きく、対策に工夫が要ります。
とは言っても、常に斬新なアイデアが無いと被リンク獲得ができないわけではありません。数々のサイトで被リンクの獲得に成功してきた定石が多数あるからです。
目次(Table of Contents)
被リンク獲得施策の一覧
以下は被リンク獲得施策の定石であり、私が実際に実務の中で使っている施策の一覧になります。
分類 | 施策例 |
自社サイトでの情報発信 (リンク・引用されやすいコンテンツを提供する) | 調査結果レポート 専門知識(ノウハウ・まとめ・比較・入門記事) 最新ニュース 海外事情の最新情報・まとめ 換算表・ツールの提供 専門用語集 インフォグラフィックの提供 取材記事の投稿(“取材されました”と紹介されやすい) 衛星(サテライト)サイトの構築 サイトの引き継ぎ・買取 |
他社プラットフォームでの情報発信 (他社プラットフォームからのリンクを自ら作る) | ブログプラットフォームでのブログ開設 Twitter/Instagram等のSNSでのアカウント開設・情報発信 YouTube等の動画サイトでのアカウント開設・動画投稿 PR TIMESなどでのプレスリリースの発信 セミナー・イベント開催(セミナー・イベント紹介サイトからリンクする) 求人サイト 業種別ポータルサイト(例:美容ならHotPepper等) 地域ポータルサイト Q&Aプラットフォーム ディレクトリ検索サービス ランキングサイトへの登録 ECサイトへの自社商品の出品 ECモールへの出店 クラウドファンディングプロジェクトの実施(クラウドファンディングサイトからリンクする) Googleビジネスプロフィール |
他社との提携 (アライアンス的な活動の実施) | 他社サイトに記事コンテンツを寄稿する 自社が利用するtoBサービスへ「お客様の声」を寄せる 他社製品・サービスへ「推薦の声」を寄せる 他社主催のセミナーに登壇する 他社コンテンツを監修しリンクしてもらう 自社コンテンツを監修してもらい監修者から紹介される 事業の取引先・提携先として紹介される 他社サービスを導入し利用者として紹介される(SaaS、決済サービスetc.) 相互リンクを依頼する |
広告 | 記事広告の配信(記事中へのリンク掲載) |
加入/認定 | 業界団体・商工会議所への加入(団体サイトからのリンク獲得) 大手企業のパートナー認定(大手企業サイトからのリンク獲得) 認定・認証・ライセンスの取得(団体サイトからのリンク獲得) |
ツール提供 | 他社プラットフォーム向けに、デザインテンプレート、プラグイン、 ブログパーツなどを提供する |
直接交渉する | スカイスクレイパーテクニック(被リンクの多い他社コンテンツを発見し、それを超えるコンテンツを提供してリンク変更を交渉する) リンク切れの調査と張り替え依頼(他社サイト向けのリンクでリンク切れを起こしているものを見つけ出し、同種のコンテンツで自社のものに切り替えるよう交渉する) リンク先の変更依頼(自社へのリンクについて、より文脈に合ったページに変更してもらう) 逆画像検索と出典リンク依頼(自社の画像を無断使用しているサイトを発見し、出典リンクを載せるよう迫る) |
これを見ると、被リンク獲得施策とは、ウェブマーケティングの施策そのものであることがわかります。正攻法でマーケティング施策を考えるのに合わせて、「被リンクを増やすためにどうしたらいいか?」という視点も加えると、効果的な施策を漏れなく洗い出せるのではないかと思います。
なお、上記の施策のなかでリンクの属性がnofollowになるから意味ないのでは、と思われる方もいるかもしれませんん。それでも、nofollowのリンクであってもサイテーションとして評価される可能性があることや、またプレスリリースをはじめ、内容がそのまま他社サイトに転載されるケースもあること、また露出を増やすことの総合的な効果もあることから、あまりnofollowは気にしなくても良いのではないかと考えます。
被リンク獲得施策の詳細を知りたい方は、ぜひお問い合わせください。
被リンクの品質
次に、被リンクの品質について簡単に説明しておきたいと思います。
被リンクは、闇雲に数を集めればいいわけではありません。前述したペンギンアップデートでも明らかになった通り、品質の高いWebページからリンクを獲得する必要があります。
では、被リンクの品質とはいったい何なのか?Googleが公開している特許情報の分析や、国内外のSEO専門家の経験から、以下のことがわかってきています。
関連性の高いページからのリンク
上位表示したいページに全く関係のない内容のWebページからリンクをされても、効果は小さいです。できるだけ内容が近しいWebページのリンクを得ることが大切です。一般社会と同じように、Googleも業界内での評価を重視するということです。
被リンク元のページランク
被リンク元のページ自体の価値も問われます。Googleは昔から、ページランク(PageRank)という0~10の11段階のスコアを用いてWebページの評価を行っていました。2016年に対外的な公開を停止しましたが、現在でもGoogle内部ではページランクを用いたWebページの評価が行われていると考えられます。
被リンクの増加率
リンクファームなどを使った不正なSEO(ブラックハットSEO)を行うと、被リンクはある瞬間に急激に増えがちですが、Googleはそれを評価しません。良いコンテンツを提供した場合、被リンクは少しずつ増えていくはずです。Googleの特許情報の分析から、Googleは被リンクの増加率を丁寧に追っていると考えられています。
実際にクリックされるリンクであること
前項と同様に、不正なSEOでは、被リンクの数から増えてもそこからのアクセスがありません。Googleは、クリックされる被リンクかどうかをチェックしていると言われています。
自然なアンカーテキスト
アンカーテキスト(リンクを設定したテキスト)に上位表示させたいキーワードを過剰に詰め込むと、Googleにスパム判定される可能性があります。アンカーテキストは、Webページのテーマを表す端的なテキストにしなければなりません。
被リンク元のドメインエイジの分散
かつて、Googleはドメインエイジ(ドメインを取得してからの年数)が古いWebサイトからの被リンクを高く評価していた時期があります。そのため、古いドメインを大量に購入してそこから被リンクを貼るなどのSEOテクニックが横行していました。それに対処するため、Googleは古いドメインからのリンクだけでなく、様々なドメインエイジから自然にリンクされていることを高く評価するようになりました。
ディープリンクがあること
リンクファームなどを用いて不正なSEOをすると、トップページにばかり被リンクが集中しがちです。そうではなく、自然な被リンクであれば、トップページばかりでなく、その下層のページへのリンク(ディープリンク)も含めて、Webサイト全体に自然にリンクされるはずです。Googleもディープリンクが多数あるWebサイトを高く評価すると考えられています。
以上、被リンク獲得の考え方や施策として参考になれば幸いです。