「どんなLP(ランディングページ)を作れば、成果が上がるのだろうか?」

これは、Webマーケティングの仕事をしていれば、誰でも1度は感じる疑問ではないでしょうか。

私も昔、 LP制作の考え方が全くわかっておらず、他社のLPを見てなんとなくそれっぽいものを作りつつも、果たしてこれでいいものかと悩んだことがあります。

自信を持ってLPを作れるようになったのは、神田昌典さん監修の「最強のコピーライティングバイブル」などのダイレクトマーケティングの書籍を読んでからです。短時間で他人に物事を伝え、行動してもらうための、ダイレクトマーケティングの定石(ベストプラクティス)を理解したことで、一気にLP制作が楽になりました。

特別な才能を持っていたり、桁外れた経験を積んだりしなくても、ダイレクトマーケティングの定石をきちんと理解すれば、誰でもポイントをおさえた効果的なLPを制作することができるようになるはずです。

ダイレクトマーケティングの定石(ベストプラクティス)とは?

ダイレクトマーケティングとは、消費者と直接コミュニケーションを行い、その場で直接、購入や申し込みなどのレスポンスをしてもらうためのマーケティング活動の総称です。媒体としては、DM(ダイレクトメール)、カタログ、チラシ、パンフレット、電子メール、そしてLP(ランディングページ)などが使われます。遠隔のコミュニケーションだけではなく、店頭でのセールス、自宅や会社への訪問営業、電話やビデオ会議での口頭のコミュニケーションも、ダイレクトマーケティングの領域です。

ダイレクトマーケティングの定石とは、このような場で消費者を説得するために、どのようなコミュニケーションや情報伝達を行えばいいか?をまとめた定石です。人間の心理に訴え、行動を促すための不変の法則であり、あらゆるシチュエーションで活用できます。

インターネットのユーザーに、購入や申し込み、何らかの登録などのコンバージョンを促すためにLPに掲載すべき内容は、まさにダイレクトマーケティングの考え方を直接、適用することができます。

ダイレクトマーケティングの定石は、簡単に要約すると以下の表です。これはいわば数学の公式のようなもので、この公式を様々な商材や媒体に応用することができます。出典は、前述した「最強のコピーライティングバイブル」や、その種本で、マーケティングの古典とも言えるロバート・コリアー「伝説のコピーライティング実践バイブル」です。これらの書籍が説く内容のエッセンスを抽出したのがこの表です。

No要素説明
1アイキャッチ印象的なキャッチコピーやビジュアルで興味を惹きつける
2描写商品・サービスの特長をいきいきと描写する
3結果商品・サービスによって得られる価値を説明する
4実証なぜその結果が得られるのかを客観的に説明する
5信頼何らかの「権威性」を用いて信頼を得る。例えば、実績、経歴、肩書き、専門家・有名人の推奨、表彰、スーツ・白衣など信頼される服装など
6安心「社会的証明」を用いて多くの人に受け入れていることを説明し、安心感を醸成する。例えば、お客様の声や、「人気No1」「売上No1」の表示など
7簡便性商品・サービスの入手がいかに時間的・手間的に簡単であるかを説明する
8希少性提供数の限りや期限があることにより、切迫感を醸成する
9特典何らかのアクションにより特典が得られることを説明する
10保証期待する効果が得られなかった場合の保証内容。例えば、返品や返金の受付など
11CTACall to Actionの略称で、アクションを促すためのUI(ボタンや入力フォームなどのユーザーインタフェーズ)や、文言のこと
ダイレクトマーケティングの定石

ここには、人間の心を動かすための要素が詰まっています。注意を引き付け、驚かせ、欲望を刺激し、納得させ、信用させ、安心させ、焦らせ、今すぐやらなきゃ!という気持ちにさせる。定石を正しく使えば、このような濃密な体験を作り出すことができます。

私は、LP制作はもちろん、コンテンツを企画するときは必ずこの定石を用いて、掲載する要素やその掲載順序、コピーライティングなどを検討しています。原稿やインタフェースを作った後に、重要な要素の抜け漏れが無いかの「チェックリスト」としても使っています。

成功しているLPは、定石の各要素を適切に配置しているし、掲載されている全ての要素が、この定石のどれかに当てはまるようになっているはずです。

今回紹介するのはこの定石の骨組みだけですので、ぜひ様々なLPと見比べてみて頂ければと思います。自分で運用しているLPとこの表を照らし合わせてみると、「そういえば、こういう要素が足りていなかった」と気付けることも多いと思います。